2026年10月9日 / 執筆・編集:USUI
最初に「どの作業か」を決める
たとえば問い合わせ対応には、内容を読む、過去の記録を探す、回答方針を決める、文章を書く、送信する、という工程があります。「問い合わせ対応をAI化する」とまとめると、AIに判断まで任せるのか、文章だけ任せるのかが曖昧になります。
この記事では、架空の商品に対する返信の下書きだけをAIに任せる例を使います。実際の導入効果を測った事例ではなく、USUI LABが提案する検討用の手順です。自分の作業に合わせて置き換えてください。
問い合わせ返信を、5つに分ける
| 工程 | 最初の試し方 | 人が確認すること |
|---|---|---|
| 内容を読む | 個人情報を除いた文面で、質問の要点を整理 | 質問や条件の読み落とし |
| 回答資料を用意 | 確認済みの説明・条件だけを渡す | 資料が最新で、回答の根拠になるか |
| 方針を決める | 担当者が回答できる範囲を指定 | 返品・費用などの判断 |
| 文章を書く | 指定した根拠だけで下書きを作る | 存在しない条件や約束が入っていないか |
| 送信する | 最初は人が読んで送信 | 宛先・添付・文章全体 |
試すための、短い入力例
以下は架空の商品・条件です。実際の会社や顧客情報を入れず、最初の動作確認に使えます。
目的:問い合わせへの返信文の下書き
質問:「ノートを2冊注文したい。発送はいつですか?」
確認済み資料:注文から3営業日以内に発送。到着日は配送地域によって異なる。
指示:資料にある事実だけを使って、丁寧な返信を書いてください。到着日や在庫は推測しないでください。回答できない点は「担当者に確認が必要」と分けてください。
出力に「明日発送します」「送料無料です」が入ったら、元の資料にない約束を足しています。文章が自然でも、そのまま送ることはできません。質問への回答、根拠の一致、余計な断定を別々に確認します。
成功と失敗を、先に書いておく
「便利だった」で終わらせず、同じ種類の例で手作業とAIの下書きを比べます。計測する時間には、入力準備・出力の確認・修正を含めます。回答の品質が落ちたまま時間だけ短くなっても、採用する理由にはなりません。
- 成功例:回答に必要な情報が揃い、確認と修正を含む作業時間が短くなる。
- 失敗例:資料にない条件を追加する、質問の一部を無視する、直す時間が増える。
- 判断保留:質問の種類によって結果が大きく変わる。対応する範囲を絞り直す。
検証メモのひな形
対象の作業:
AIに渡す資料:
AIに任せる部分:
人が確認する部分:
使用するサービス・設定・確認日:
入力準備の時間:
確認と修正の時間:
資料にない断定の有無:
続ける
/ 範囲を変える / 見送る:
時間の削減率を公表する場合は、比較条件と対象件数も必要です。このひな形自体に、削減効果を保証する意味はありません。
まずは小さく試し、対象を増やす
毎日発生する作業の中から、確認済みの資料があり、担当者が正しいか判断できるものを一つ選びます。使うサービスのデータ取り扱いと社内ルールを確認してから、扱える情報を決めます。試した結果を見て、対象を増やすか、手作業を残すかを考えます。
USUI LABへの相談では、「AIを導入したい」という言葉だけでなく、今の作業の流れを数行で教えてください。任せる範囲と確認方法の整理から相談できます。